
その距離は、直線にして 4200キロメートル。右側の赤い線が秋の渡りルート。

地球一周は、およそ4万キロメートルですから、
その10分の1以上の距離を飛び、コクガンは渡ってきます。
繁殖地と思しき北極圏から。
これは、あくまで南三陸町の志津川湾まで直線で結んだ距離ですから、
実質は、もっと相当に長い距離を飛んで来ていることになります。

その上驚きなのは、春の渡りでは、標高3400メートルというとんでもない高さの山脈を
飛び越えて行くというのですから、その飛翔力たるや!小生Bluebirderもびっくり!!

志津川湾の彼らは、”羽を休めている”という形容がそのまま。

彼らの渡りの現実を知ると、「おつかれさま」という気持ちにもなってしまいます。
全世界には55万羽以上が棲息しているそうですが、問題なのは東アジア個体群。

日本を含む東アジアに渡って来るのは多く見積もっても8000羽程度と極少。
北アメリカでの渡りは15万羽ということですから、14万羽以上の差は甚だしい!!!
数が減ったのは、乱獲や土地の開発が原因とのこと。

東アジアエリアの8000羽中、日本国内で越冬するのは2000羽台。
飛来地は東北から北海道にかけての沿岸で、ごく限定的。
レッドデータブックでは絶滅危惧種に指定され
国の天然記念物として護られています。
そうした中でも、前の冬、409羽が越冬したのが志津川湾。
ここの自然がどんなにか豊かなのだという証しです。
北海道の野付湾がアジア最大の中継地で、

一部は北朝鮮へも渡っていることもわかっていますが、

繁殖地は、まだはっきりわかっていません。

大体 このあたりではないかとされているのが、画像下の黄色い丸と赤い丸のエリア。
ロシア国土の東北部、北の外れです。

繁殖地の特定は、今後の調査の成果を待つことになります。
”4200キロメートル”を渡ってきたコクガンたちには少し申し訳ないのですが、

当ホテル観洋から、”歩いてたった15分”のところで 観られるんですよ♪
今回ご紹介した姿は、その防潮堤から撮りました。
ここは前の冬には見かけなかった水域。
今シーズンになって”居場所”として定着したばかりのようです。

みなさんも、希少な水鳥”コクガン”を 是非観に行ってみてください。
大好物のアマモを求めて、それはもう元気に泳ぎ回っていますから。

長旅を労うどころか、
生き生きとした姿に逆に癒されてしまっているのがBluebirderでございますww。
※資料画像:2020年南三陸自然史講座より






























































































き































































