まだ いますか?

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

最近、「まだ いますか?」

これからご宿泊になるお客様や お泊りのお客様から

そうしたお問い合わせを いただいています。

 

ええ、おります。

 

一体 何のお話かといいますと 「コクガン」のこと、なのです。

徐々に気温も上がり 3月も下旬ともなれば、

きっと、志津川湾で越冬していたコクガンも

既に北に向かっていなくなっているかも知れないと

思っていらっしゃってのことでしょう。

 

確かに、既に北帰行が始まっている時期ですから

湾内で確認できる数は、少なくなってきてはいます。

それでも、南三陸海ビジターセンターによれば

まだ ピーク時の3分の1くらいはいるそうです。

ちなみに、この冬のピークは 400羽以上でした。

いつもの港で、20日午前11時前に確認出来たのは

7羽程度と 実に寂しい限り。上の写真には、オオバンも混じっています。

センターによれば

どうやら いつも午前10時頃になると、

いくつかの群れが この場から飛び立ち

他のエリアへ向かってしまうのだとか。

 

ということは 朝の比較的早い時間帯であれば

まだ もう少しまとまった数のコクガンたちの姿が

観られそうです。
もっとも 一番ののんびり屋さんは、大型連休前までいますから

是非 観に来てください。

よろしければ、Bluebirderがご案内いたします。

コロナ禍でなかなか観に来れなかったという方も

どうか ご安心下さい。


こちら志津川湾では、まだ今しばらくの間

コクガンのシャッターチャンスは 続きそうです。

冬鳥その6

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

やはり 2月は走って通り過ぎ、

早いことに もう 弥生3月ですね。

 

前回は、ヒドリガモをご紹介しました

シリーズ(?)観洋近くで見られる冬鳥。

今回は、前々回の 腹黒くない シロハラに続いて

腹の赤い オオアカハラです。

オオアカハラは シロハラと同じスズメ目ヒタキ科の野鳥で、

ツグミの仲間。

日本、サハリン、千島列島に分布し

主に千島列島で繁殖し、冬は日本で越冬する渡り鳥。

 

シロハラが こちら ↓ で、

こちら ↓ が ツグミ。

ご覧の通り 羽根の色や模様が違うだけで、

体の線、シルエットが よ~く 似ています。

 

ところで、アカデミックハラスメント、アカハラ は、

「大学の構成員同士の間にある力関係の差を悪用して、

大学における学び・教育・研究などを妨害する行為」の意味。

それも 「アカハラ」 などといったら

それはそれは

とんでもないハラスメント ということになってしまいます。

しかし、当の オオアカハラ君は 人間界の「アカハラ」など どこ吹く風。

シロハラ君と同様 とても食いしん坊で

同じ得意技「木の葉返し」を繰り出しては、

ガサガサと音を立てながら 夢中で餌を探して食べています。

~~~~~~~ ~~~~~~~ ~~~~~~~

△なかなか 開けた場所に出てきてくれないので

撮りにくかったオオアカハラ。

枝被り画像しか無くて 恐縮です。

北帰行

「もう 北帰行が始まったみたいですよ」

とは、南三陸ビジターセンター男性スタッフの言葉。

道理で、いつもの港で確認できる数が少ないわけです。

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

19日朝に センターで確認できた数も、80羽程度だったそうで、

もうコクガンたちが 北へ向かい始めたのではないかというのです。

少し驚きましたが、聞けば 前の冬も 気の早い群れは

大体同じ時期に 北へ向かって飛び立っていったそうです。

20日の朝には、北上川河口付近で観察していたセンター関係者から

北に向かい飛び立った一群の写真が スタッフ宛に送られてきていました。

二月も下旬ともなれば、もう コクガンたちも北に向け移動を始める、

ばかりでなく

同じ北上川河口付近では 同じ日に

早々と ヒバリの鳴き声も確認できたというのですから

これまた驚きです。

 

ヒバリと言えば、春を告げる鳥。

下は以前ブログでご紹介した石巻の麦秋を舞うヒバリのシルエットですが、

その時期になれば 上空高く舞い上がり

縄張りを主張して快活にさえずる 春夏定番の野鳥です。

それが もう鳴いていたと言うのですから、

春近し というより 既に春めいてきているということなのでしょう。

 

ただ、呑気なメンバーは GW前まで志津川湾内に居ますから、

コクガンウォッチングは まだしばらくは 楽しめそうです。

いつもの漁港に残るメンバーは、今日も元気に アマモを食べ続けています。

北へ向かう力をしっかり蓄えているようです。

 

おまけ・・・

冬鳥その4 は ヒドリガモ

20日の午前中には 観洋眼下の カモメの営巣岩近くまで来ていました。

クチバシを羽に入れて、お休みモード・・・。

ここ!

これからカモメの営巣が観察できる この窓から

肉眼で十分に確認出来ました。

メスも一緒で おそらくは ツガイ。

メスの視線がこちらを向いています。

どうしてどうして 警戒心の相当に強い鳥です。

 

ヒドリガモは「冬鳥」ですが、寒々とした時期に

観洋眼下のこの場所には 姿を見せていなかった気がします。

この行動も もう「春近し」の兆しなのか・・・はたして

仕舞には、カルガモまで姿を現して、

養殖用の浮きについたアオサか何かを食べていました。

そんな光景からしても、やはり 気分は春、という印象です。

 

冬鳥ヒドリガモ、いつもの港にも居ます。

頭が赤っぽい色なので緋鴨(ひがも) 緋鳥鴨 ヒドリガモと呼ばれています。

このヒドリガモ、日本で最も普通に見られる

淡水型のカモの一種なのですが、

他の淡水型のカモよりも 海上に出る傾向にある鳥で、

この通り、海上でアマモを漁っています。

 

コクガンにヒドリガモ、そしてカルガモ。

そうした野鳥たちの動きから 春近しを感じながら

いかばかりか 行く冬が惜しまれもした

先週末の午後でありました。

冬鳥 その4

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

福島県沖で発生した地震により

被害に遭われた皆さま方には

心より お見舞い申し上げます。

また、怪我をされた方々には

どうか 大事にされて

復旧復興も 十分お気を付けてお進めください。

 

観洋は固い岩盤の上で 堅牢な耐震設計ですから

建物自体に全く損傷は無く、

幸い 館内で大きな混乱も 器物の破損もありませんでした。

決して地震や津波などの自然災害の猛威は侮れませんが、

高台で 3.11の巨大津波を2階迄で凌いだ経緯もあり

南三陸ホテル観洋は

安心してご利用いただける宿泊施設のひとつでしょう。

 

災害に強い一面を持つ一方、豊かな自然環境に浸れるのもまた

観洋の魅力のひとつ。

周辺は、四季折々、様々な野鳥たちが訪れては憩います。

観洋近くで撮れた「冬鳥」その3 はこちら♪

「腹黒い」って 全く良い印象はありませんが、

こちらの野鳥は「腹が白い」。

 

その名も「シロハラ」。

「腹黒」の反対語が「腹白」ですから

名前からすると

どうやら 悪だくみをするようなタイプではなさそうですwww。

下のシロハラ、相当な食いしん坊のようで

白いお腹は はち切れんばかりにパンパンです。

「スズメ目」ヒタキ科に分類される鳥の一種。

だからでしょうかねぇ、

「スズメたち」とも仲良く餌を探して食べている様子。

決して 追い払ったりすることはありません。

「彼ら」は 東アジアに分布していて、

中国東北部からロシア沿海地方にかけての地域で繁殖し、

日本や朝鮮半島、中国で越冬する渡り鳥です。

日本ではほとんどが「冬鳥」で、

主に本州以南の積雪のない低地で見られます。

日本で越冬するシロハラは

春になると北方の繁殖地に戻ります。

誰もいなのに 積もった枯れ葉が「ガサゴソ」していたら

ぱっと 目を向けてみて下さい。

得意技「木の葉返し」を繰り出して

餌を探すシロハラに出会える筈です。

お腹の白~い

 

シロハラでした♪

 

一方、いつもの漁港の冬鳥コクガンは 変わらず元気にしています。

そんな 冬鳥たちもびっくりの

気温17度とか18度とか、

週末は もう春同然、

初夏かとも思えるほどの陽気になり 近くの突堤には釣り人の姿も。

それでも まだ2月。

三寒四温、当然 寒さの戻りがありますから、

くれぐれも体調管理にはご注意を。

冬鳥 その3

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

節分、立春が過ぎ

気温も10度以上になったりしてましたが

寒さはこれからが本番の 如月2月。

寒さが緩んだ先週の土曜日、いつもの港に出かけてみると

???!  少ない!  越冬中のコクガンが「まばら」なのです。

まさか、もう北へ向かってしまったのでは?

とも思えてしまう光景に 少し驚かされました。

しばらく様子を窺っていると・・・、ああ  なるほどぉ、

仙台ナンバーの車が何台か出入りして

数名が港を視察、あるいは査察していました。

いつもと違う雰囲気を感じ取ってか

岸壁辺りには寄り付かずに 水上に居たようで、

いくつかの群れは 一時的にこの場から離れていたようです。

しかし、Bluebirderの心配などよそに

当のコクガンたちは 元気いっぱい!

オオバンの採ったアマモを 横取りして食べています。

もの凄い勢いで迫った瞬間です。

勢いの余り コクガンの首の周りに「水の襟巻」が出来ています。

す、凄・・・・・    普段は澄まして

優雅な雰囲気を漂わせているのに( ^ω^)・・・

そうそう、5日には 志津川湾内の全数調査が行われ

年末の調査同様 400羽ほどが確認されています。

 

そんな コクガンたちの居るこの小さな港には、

ほかにこうした冬鳥も飛来しています。

曇り空の ロングショットで

ぼんやりした被写体になってしまっていますが、

ここは 雰囲気でご覧いただくということでご容赦を。

カンムリカイツブリ です。

全長56㎝ほど。

首が長く、水面に軽~く浮いている水鳥。

夏羽は、頭部に赤褐色や黒色の飾り羽が出ますが、

今は冬羽で 顔から首は白く、目の下に黒い線があります。

くちばしは桃色。頭上には黒色の冠羽があります。

 

脚は体の後方に付いていて 脚だけで潜水が可能。

小魚を主食にして、甲殻類も食べちゃいます。

カイツブリ類の中では最も大型で、

潜水時間は カイツブリが30秒なのに対し、

何と50秒ほど潜ることができます。ですから「狩り」も余裕です。

現在は 絶滅が心配されるほどの種ではありませんが、

ひところ 乱獲で激減した時代もあったようです。

「群性が強い」と 図鑑には記されていますが、

こちらの個体は群れずに「単独」。

冬の海 ポツリと置かれた水鳥が一羽・・・

心なしか 寂しげでなりません。

 

が、どうも強気な「お顔」から察するに

「そんなことはないよ!」と

お"カンムリ"のようにも見える"カイツブリ"なのであります。

冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

いよいよ寒さが厳しさを増す中、

早いもので もう2月ですね。

 

さて、先週に続いて

冬、南三陸町は観洋近辺で観られる野鳥のご紹介です。

 

こちらは、紅猿子。

えっ? ですよね。ごもっとも。

 

何と読むのかといいますと、「ベニマシコ」。

胸からお腹の辺りの鮮やかなイチゴ色が特徴的なオスです。

 

顔は「猿顔」、

で 紅(ベニ)猿子(マシコ)と呼ばれるようです。

 

実は このベニマシコ、「冬鳥」ではありません。

「漂鳥(ひょうちょう)」です。

漂鳥というのは、日本の中で季節的な移動をする鳥のこと。

標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖し、

冬はより暖かい地域に移動し越冬します。

北海道と青森の下北半島で繁殖し、

冬は本州から南の山地の落葉樹林のヤブや

水辺のアシ原でよく見られます。

観洋辺りで 決まって姿を見せるのが、

うっすらと雪の積もった晴天下のヤブの中。

ですから てっきり「冬鳥」と勘違いしていました。

クルクルと体の向きを変えながら

"フィッ!フィッ!"と鳴いて移動しますから、それと直ぐにわかります。

 

雪とイチゴ色のコントラストが鮮やかできれい♪

っていう写真を撮りたいのですが、

なかなかタイミングが合わないのと、

やはり 彼らもレンズが嫌いなようで・・・。

~~~~~~~~

さてさて、

南三陸町の豊かな自然のシンボル的存在の冬鳥 コクガンですが、

先日 南三陸海のビジターセンターに伺ったところ

女性スタッフが

「いつもは100羽前後なのが、

今朝は150羽以上確認出来ました」とのこと。

更に「お隣石巻市の北上川河口付近にも

1群れくらい確認出来た」そうです。

写真は、先月29日のいつもの漁港での様子。

寒さが厳しくなるにつれ、志津川湾のコクガンの数は

まだまだ 増えてきている様子。

大好物のアマモの藻場が 豊かになっている証しでしょうか。

前のシーズンの飛来数300羽以上は

去年暮れにカウントしていますから、

今シーズンは果たして・・・

冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

この前は、ツグミをご紹介しました。

今回も冬鳥を紹介したい・・・、と 考えていましたが

どうも このところ 声はすれども姿は観えず、

その上、姿を現した時には カメラを持っていない

ということばかり・・・、なのが この1羽。

ジョウビタキ。こちらは オスです。

胸からお腹にかての橙色と灰白色の頭、

黒い顔が特徴的で ほかの鳥とは区別しやすい1羽。

 

冬鳥として、全国に渡来するので 各地で見かけることの多い鳥です。

積雪の多い土地ではあまり越冬しないようですから

例年より雪の降ることの多い この冬の南三陸町には

少し戸惑ってしまっているかも知れません。

観洋近辺にも出没していますが、

今シーズンはシャッターチャンスを逃してばかり。

ですから、こちらは数年前の写真。

 

一般的に「それほど 警戒心は強くない」と言われている通り、

まるで思わせぶりに

そこに居ることを「主張」する動きを見せたりしますが、

レンズはあまり好きではなさそうで

撮ろうとすると どんどん離れて行ってしまいます。

名前のジョウは「尉」で 銀髪のこと。

ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことから

ジョウビタキという名があります。

時々 ぴょこんとお辞儀をして 可愛い鳥です。

こちらは スズメ。

瀬戸内地方に伝わる民話によれば、

ジョウビタキ と スズメは その昔 姉妹だったそうな・・・・・

その内容は、ネットで検索してみて下さいね。

ちょっと悲しい民話を知ると、また少しその姿が印象付けられます。

 

さて、いつもの漁港のコクガンたち。

こうして、

岸辺で過ごす個体が多くなってきたようです。

いよいよ寒く 水も冷たくなってきたからでしょうか。

 

一方、観洋眼下の カモメ。

ツガイと思しき2羽は、

他のカモメが近づくと、揃って激しく鳴きたてて

縄張りを主張しています。

この春の営巣は、このカップルで決まりでしょうか。

冬鳥

雪の消え残る芝地にたたずむ 野鳥が一羽。

ただそれは ほんの一瞬のこと。

まるで、雪解けを待ってました! と言わんばかりに

嬉々として芝の上を動き回っていました。

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

通過中の寒冷前線に南風が吹き込んで、一時的に春めいた16日。

うっすら積もっていた雪が解けかけた

戸倉公民館前の芝地で

ツグミが どこか嬉しそうに 餌を獲っていました。

まるで春を待ちわびていたかのように。

 

こちらも 冬鳥。

この時期、全国で見られますので

コクガンほど 珍しいという鳥ではありませんが

羽根が複雑できれいな模様をしています。

北はシベリアの地からやって来る「冬鳥」という点は

コクガンと同じ。

 

ぴょんぴょん跳ね歩くので「鳥馬(ちょうま)」という異名も。

この日も その通り、周りを警戒しつつ

可愛らしく ちょこまかとホッピングしながら餌を探していました。

 

さて、同じ日のコクガンですが、

いつもの漁港に出かけると、!!! 岸辺に 数多く寄ってきていました。

おそらく この日の この時間帯は、

漁師さんたちが車で出入りする以外

港に近付く人が殆ど無く、

安心し切って 岸辺で餌を食べていたのでしょう。

それも この時食べていたのは、大好物のアマモではなくて

どうやら アオサ。

首を水中に突っ込んで 逆立ち状態でアオサを採ります。

二羽が同時に、さながらシンクロナイズドスイミング♪

このアオサ、マグネシウムや食物繊維といった栄養素のほか

カロテノイドや葉酸といったビタミン成分がたっぷり含まれていて

旨味も強い。

私たちにとっても とても贅沢で栄養豊富な食材でもある海藻を

こぞってむさぼるように食べていました。

なるほど、道理で健康そのもの、元気なわけです。

 

 

 

 

グレーの斑は

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

12月のブログで 春の繁殖に向けて

「もう 営巣の陣取りを始めているの ?」

とご紹介させていただいていた 観洋眼下のカモメたち。

ロングショットでは 雪に同化して居場所が判りづらいのですが、

どうやら、営巣場所を「獲得」したと思しきツガイが

もう その岩場に常駐している模様。

ご覧のように、木枯らし吹くの岩場で、

じっと二羽でうずくまって休んでいます。

こちらは1月9日午前10時過ぎの様子。

 

目覚めれば・・・

この通りの 大欠伸。

 

外敵に襲われる心配も まず無いようで

実にのんびり 寛いでいる様子です。

 

その12月のブログで、首の周りにある「グレーの斑」について、

「まだ成鳥になり切っていない若い個体の印では」と

ご紹介していましたが、

どうやら これ、「冬毛」のようなのです。

失礼いたしました。

春に向けて、この首回りも「真っ白」になっていくのでしょう。

いずれにしても、今春の産卵と孵化が楽しみです。

 

さて、志津川湾で越冬中のコクガンたち。

この9日には、船揚げ場のスロープにも その姿を確認できました。

オオバンも一緒の 3ショット。

 

研究者によれば、ここに上がるのは

まだ若い個体か、比較的体の弱い個体だということです。

実際、翼には

「白い線」状に見える部分が残っていて

二羽ともまだ「若鳥」ようです。

 

晴天の下、相変わらず牧歌的で平和な情景を湛える 小さな港、

ではありましたが、この日 ある小さな変化に気が付きました。

 

震災後、この港の環境に慣れ、

人間から何も危害を加えられないことを学習したコクガンたちは、

漁船が出たり入ったりしようと

漁師さんたちが岸壁で作業をしていようと

逃げることも無く、悠々と泳でいた コクガンたち。

暫く眺めていたところ、漁船が港に入って来る際、

近づくエンジン音に 緊張感を高めていたかと思うと

近辺に居たコクガンたちが 一斉に飛び立ってしまったのです。

 

下の写真が、去年12月24日の様子。

漁船が港を出て行きますが、

そのすぐ脇を 飛び立ちもせず平然と泳いでいたのが判ります。

ですから、

この日は一体 どうしてしまったのだろうと 驚いた次第。

コクガンたちは、またその場に戻っては来るのですが、

つい2週間ほど前とは違う行動の変化が

少々気がかりな、いつもの漁港です。

何か 不都合なことがあったものなのかどうか、果たして。

単なる気まぐれであれば いいのですが。

 

ファデエフスキイ島

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

えっ「ファデエフスキイ島」?

ですよねぇ(笑)。

東シベリアにある島で、

今月17日に初めて公表された

コクガンが渡りで夏場に過ごす島なのです。

東アジアを中心にその数が9000羽にも満たないため

これまで研究が進まず、

繁殖地の究明さえも課題になっていたコクガン。

今回、GPSによる調査結果が発表され、

謎に満ちていたその生態が いくつか解明されました。

 

コクガンの追跡調査が発表されたのは、今月17日

南三陸町の戸倉公民館2階にあるネイチャーセンターでのこと。

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究室長が公表しました。

調査は 今年1月に4羽の幼鳥にGPS発信装置を付けて追跡したもの。

下の図が 今回判明したコクガンの渡りの経路です。

東アジアに棲息するコクガンの渡りの実態が明らかになるのは

国内でも初めてのこと。

幼鳥は、ここファデエフスキイ島で

換羽、つまり羽が抜けかわったそうです。

 

繁殖地のひとつ レナデルタの様子も 紹介されました。

レナデルタは 下の地図で赤い印のところ。

コクガンたちにとって

ファデエフスキー島からはひとっ飛びの場所のようですが、

今回GPS発信機を付けた個体は幼鳥でしたから

繁殖には向かわず ここには寄っていません。

 

他に、コクガンたちの居場所は

好物のアマモの藻場とほぼ一致していること。

志津川湾での越冬では、 ひとつの群れの行動半径は

せいぜい12~30㎢で 意外と狭いことも紹介されました。

そうそう、あのオオバンからアマモを奪う行動ですが、

「労働寄生」って言うんですって。 初めて知りました。

それでも、オオバンがコクガンの傍を離れないのは、

他のカモからの理不尽な攻撃を避けられるからなのだとか・・・。

こちら ↑ ↓ は、19日の津宮漁港。

アマモを求めて相も変わらず 快活に泳ぎ回る コクガンたち。

また少し、親しみが増しました。