いらっしゃいませ
広島の土砂災害、胸がつぶれるような思いでニュースを見ています。
被害にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます<(_ _)>
忘れもしない震災の時、停電で真っ暗なホテルのロビーに一台のワゴン車が到着しました。
「テレビで津波の様子を見て、居ても立ってもいられなくて、積めるだけの荷物を積み込んでここまできました。ここは、大きなホテルだけれど、大きなホテルだからこそ、もしかして支援物資がまだ到着していないのではないですか?」
その時対応に出た数人の従業員の中に偶然居合わせた私は、「その通りです」両手で口を覆って目を見張りました。だって、まさにその通りだったのですから。
その方は、「どうか、少しですがこれをもらっていただけませんか?」
そういってフロントにカップヌードルの箱と飲み物の入った箱を置いてくださいました。
私は、急いで副社長を呼びました。副社長も驚いて「ありがとうございます。あの、ありがとうございます」と頭を下げ続け、「では、わたしは、これで」と立ち去ろうとしたその方の背を追いかけ、真っ暗な外に出ました。お見送りをするのは、ホテル従業員としての習わし。「見送りなんか、いりませんよ」とその方は、しきりに照れて車に乗り込みました。
エンジンをかけ車がライトをつけて初めて気が付きました。その車、広島ナンバーだったのです。震災のニュースを見てすぐに夢中で車を走らせたとその方は笑っていました。
名乗らず、住所も語らず、立ち去ってしまった広島ナンバーの車。
副社長は、見えなくなるまでその車をお見送りしていました。
その車が、はじめて南三陸ホテル観洋に支援物資を届けてくださった第一号の車でした。
そして、それ以来、「きっとこれをきっかけにまたどなたかここを訪ねてくださるだろう。私たちは、お名前を必ずお伺いし、住所も控えられるよう、ノートを作ろう!感謝の気持ちを忘れないようにするために!」という副社長の提案で控えのノートを作ることになったのです。
今回の広島の土砂災害に際し、南三陸ホテル観洋では、託児所マリンパルを発信元として、雑巾や軍手を送っています。
「ありがとう」の気持ちを忘れず、「恩送り」すなわち「真心」の確かな気持ちを、お返ししたい。今なお、仮設住宅に住む私たちだからこそ「痛みを分かり合える友」として、少しでもお役にたてればと...と考えました。
どうぞ、広島の皆様、お力落としのないよう、ありきたりのセリフですが、「ともに前に進んで参りましょう!」
今週は、ときめきぴちぴちだより 写真を一切カットして、広島の土砂災害に寄せてお送りいたしました。
来週は、元気な子どもたちの姿をアップいたします!
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